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白い嵐 

54
監督:リドリー・スコット
『White Squall』
(1996年 アメリカ)


海洋学校にやってきた少年たちを乗せた帆船アルバトロス号が大海原へと出帆する。
南米を半周する船旅にさまざまなトラブルが発生するが、船長の指揮の下、船医・船上教師・コックのベテラン・クルーたちに見守れ、しだいに若き訓練生の間に仲間意識が芽生えていく。
日焼けしていく彼らと海が眩しい。
穏やかな海原で、やがて航海が終わることを惜しむ少年たちに、眩しい海が突如、表情を変える。
気がつけば、“白い嵐”と呼ばれる伝説の暴風雨が襲いにかかっていた。

見捨てざるを得なかった仲間。
救いたくても救えなかった命。
切ない体験を胸に生還した者たちを待っていたものは……。

1960年に実際に起きた海難事故を元に描いた作品。

<眩しいほどに切ない>
劇場公開時に観て以来、封印していた作品。
『パーフェクト・ストーム』が何度も興奮して観れるのに、『白い嵐』は観るには覚悟がいる。
自然の力の前に太刀打ちできない無力さがリアルなのだ。

それにしても海が眩しい。
大海原を背景に、それぞれの傷やコンプレックスから成長しかけていく未熟な訓練生たちの姿も眩しい。
海と少年たちが眩しいほどに切なく、切ないほどに航海の情景が眩しく映る。

親元を離れ、親から教われない体験を通じて変わっていく少年たち。その胸中を知ることもなく、責任問題だけを追及するマスコミや世間の姿は、日常の中で見る“責める人々”と重なる。
しかし、“責める人々”も映画の観客であるときは、被害者意識の正義感で責める側ではないだろう。

「団結は力だ」
訓示が刻まれた鐘が法廷に鳴り響くとき、海難の被害者でもある船長と少年たちの悲しみと叫びはどこまで伝わっただろうか。

体験の価値は、体験した者だけに残る。
訓練生が共有した価値が眩しいほどに、事故の真実を言葉で説明し切れないもどかしさが、また切ないのだ。

ガラパゴス諸島の美しさの中、開放された少年たちの姿が、理屈を外した健全さの象徴のようにあとから思い出される。

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